猫泊館とは

ということで始まりました。

「nekodomari.jp」の由来: 失われた物理座標と、流木が集まる入り江

「nekodomari(ネコドマリ)」というドメイン名を見ると、猫が集まる場所や、猫関連のサービスを想像されるかもしれません。しかし実はこれ、北海道小樽市に実在する(そして現在もひっそりと地図に記載されている)非常に局地的な地名に由来しています。

物理レイヤーでの喪失とオフラインの土地

かつて、私たちの親族は、小樽市の忍路(おしょろ)と蘭島(らんしま)の間にある半島の西側の入り江に生活の拠点を置いていました。当時の家は火事で焼け落ちてしまい、現在は土台の基礎だけが残っています。

さらに、そこへ至る「道路(アクセスルート)」が存在しないため、現代の建築基準法では新しい建物を建てること(再建築)ができません。完全に物理的なネットワークから切り離された(オフラインの)場所となっています。

私自身、以前に取得した除籍謄本に「北海道忍路郡塩谷村大字蘭島村字ポンネコドマリ」という記載を見るまでは、単なる身内の中でのローカルな呼び名だと思っていました。

しかし、ふと国土地理院の最新(2023年)のWeb地図で座標を確認してみると、驚いたことに、岬や山と同じように地形の名称として「猫泊」という文字がしっかりと刻まれていました。

出典:国土地理院(https://maps.gsi.go.jp/development/ichiran.html)

「ポンネコドマリ」の語源

この奇妙な響きの地名をアイヌ語の地名解から紐解くと、以下のような意味になります。

  • pon(ポン): 小さな
  • net(ネト): 流木
  • o(オ): 群在する、ごちゃごちゃある
  • tomari(トマリ): 入り江、泊まり

「流木がたくさん集まる、小さな入り江」。
pon-net-o-tomari という発音が年月とともに滑らかにコンパイルされ、「ポンネコドマリ」となり、最終的に漢字の「猫泊」へと型変換されていったようです。

技術の流木を集め、新たな火を灯す

この「流木が集まる入り江」という語源を知った時、技術顧問としての現在の自分のキャリアと深くリンクしているように感じました。

これまで、雑誌編集から始まり、建設業の現場、電気工事、ホテルの設備維持、そして現在のインフラ構築(Linux、ネットワーク)やWeb開発(PHP、最新のフロントエンド技術)まで。レイヤーを無視してあらゆる現場を渡り歩き、拾い集めてきた多様な「経験」と「技術」。
それらはまさに、海流に乗ってこの小さな入り江にたどり着いた流木のようなものです。

物理空間では再構築できなくなった「ポンネコドマリ」というルーツを、私はインターネットのDNS上に nekodomari.jp という独自ドメインとして割り当て、仮想空間にリストアしました。

この入り江に集まった技術の流木を燃やし、クライアントが抱える技術的難問を解決し、炎上を鎮火させる「技術顧問」として、ここから新たな火を灯し続けていきます。